23-1. Di-Lite
「Di-Lite」とは、デジタルリテラシー協議会が定義する、すべてのビジネスパーソンが持つべきデジタル時代の共通リテラシーのことです。具体的には、以下の3つの領域に関するスキルや知識を指します。
① IT・ソフトウェア領域:基本的なITスキルやソフトウェアの使用方法
② 数理・データサイエンス領域:データ分析や統計の基礎知識
③ 人工知能(AI)・ディープラーニング領域:AI技術やディープラーニングの基礎知識
これらのスキルを身につけることで、デジタル時代におけるビジネスの効率化や競争力の向上が期待されています。学習すべき範囲は、「ITパスポート試験」「G検定」「データサイエンティスト検定」の3つの試験のシラバス範囲になります。
DX推進パスポート
「ITパスポート試験」、「DS検定 リテラシーレベル」、「G検定」の3試験の合格数に応じて、デジタルバッジが発行されます。3試験のうちいずれか1種類の合格者には「DX推進パスポート1」、いずれか2種類に合格すると「DX推進パスポート2」、3つすべてに合格すると「DX推進パスポート3」のデジタルバッジが発行されます。
DX推進パスポートのデジタルバッジ
DXパスポート3
「ITパスポート」「データサイエンティスト検定」「G検定」のすべてに合格
DXパスポート2
「ITパスポート」「データサイエンティスト検定」「G検定」のいずれか2つに合格
【デジタルバッジ発行のパターン】
① 「ITパスポート」と「データサイエンティスト検定」に合格
② 「ITパスポート」と「G検定」に合格
③ 「データサイエンティスト検定」と「G検定」に合格
DXパスポート1
「ITパスポート」「データサイエンティスト検定」「G検定」のいずれか1つに合格
【デジタルバッジ発行のパターン】
① 「ITパスポート」に合格
② 「データサイエンティスト検定」に合格
③ 「G検定」に合格
詳細理解のため参考となる文献(参考文献)
23-1-1. ITソフトウェア領域
Di-Liteの3つの領域のうち「ITソフトウェア領域」における学習範囲「ITパスポート試験」のシラバスについて全体像を説明します。
ITパスポート試験のシラバスは、情報処理技術者試験の一部として、幅広いIT知識を評価するために設計されています。シラバスは「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジー系」の3つの主要な領域に分かれています。
対象者
職業人およびこれから職業人となる者が備えておくべき、ITに関する共通的な基礎知識を持ち、ITに携わる業務に就くか、担当業務に対してITを活用していこうとする者
シラバスの全体像は以下の通りです。
ストラテジ系
✓ 業務分析・データ利活用
✓ 会計・財務
中分類2:法務 ✓ 知的財産権
✓ セキュリティ関連法規
✓ 労働関連・取引関連法規
✓ その他の法律・ガイドライン・情報倫理
✓ 標準化関連
✓ マーケティング
✓ ビジネス戦略と目標・評価
✓ 経営管理システム
中分類4:技術戦略マネジメント
✓ 技術開発戦略の立案・技術開発計画中分類5:ビジネスインダストリ
✓ ビジネスシステム✓ エンジニアリングシステム
✓ e-ビジネス
✓ IoTシステム・組込みシステム
✓ 業務プロセス
✓ ソリューションビジネス
✓ システム活用促進・評価
中分類7:システム企画
✓ システム化計画✓ 要件定義
✓ 調達計画・実施
マネジメント系
中分類9:ソフトウェア開発管理技術 ✓ 開発プロセス・手法
✓ サービスマネジメントシステム
✓ ファシリティマネジメント
中分類12:システム監査 ✓ システム監査
✓ 内部統制
テクノロジー系
✓ 応用数学
✓ 情報に関する理論
中分類14:アルゴリズムとプログラミング ✓ データ構造
✓ アルゴリズムとプログラミング
✓ プログラム言語
✓ その他の言語
✓ メモリ
✓ 入出力デバイス
中分類16:システム構成要素 ✓ システムの構成
✓ システムの評価指標
中分類17:ソフトウェア ✓ オペレーティングシステム
✓ ファイルシステム
✓ オフィスツール
✓ オープンソースソフトウェア
中分類18:ハードウェア ✓ ハードウェア(コンピュータ・入出力装置)
✓ インタフェース設計
中分類20:情報メディア ✓ マルチメディア技術
✓ マルチメディア応用
中分類21:データベース ✓ データベース方式
✓ データベース設計
✓ データ操作
✓ トランザクション処理
中分類22:ネットワーク ✓ ネットワーク方式
✓ 通信プロトコル
✓ ネットワーク応用
中分類23:セキュリティ ✓ 情報セキュリティ
✓ 情報セキュリティ管理
✓ 情報セキュリティ対策・情報セキュリティ実装技術
「技術要素」に含まれる「情報セキュリティ」について抜粋して詳細に説明します。
情報セキュリティ
・ セキュリティインシデントが発生しやすくなる要因である脆弱性 ① 人的脅威の種類と特徴
② 技術的脅威の種類と特徴
③ 物理的脅威の種類と特徴
④ 脆弱性
⑤ 不正のメカニズム 4. 攻撃手法 ・ 情報システム、組織および個人への外部からの不正な行為と手法、およびそれらへの対策の概要
情報セキュリティ管理
・ 事故などが発生した際に対処するために、対応マニュアルの整備や教育・訓練などの準備が必要であること 2. 情報セキュリティ管理 ・ 情報セキュリティ管理の必要性と情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS:Information Security Management System)の考え方 3. 個人情報保護 ・ 個人情報保護の必要性、法律やプライバシーマーク制度などの取組の目的 4. 情報セキュリティ組織・機関 ・ 不正アクセスによる被害受付けの対応、再発防止のための提言、情報セキュリティに関する啓発活動などを行う情報セキュリティ組織・機関の役割、および関連する制度 5. 各種の基準・ガイドライン ・ コンピュータウイルス対策基準、コンピュータ不正アクセス対策基準、システム管理基準などが、情報システムに関する規範として利用されていること
情報セキュリティ対策・情報セキュリティ実装技術
・ 身近な業務における基本的な対策の実行 ③ 技術的セキュリティ対策 ・ 技術的セキュリティ対策の種類
・ 身近な業務における基本的対策の実行 ④ 物理的セキュリティ対策 ・ 物理的セキュリティ対策の種類
・ 組織のルールにしたがった行動の実行 2. 暗号技術 ・ 情報セキュリティを維持するために必要な暗号技術の基本的な仕組み、暗号化アルゴリズム、暗号強度などの特徴 3. 認証技術 ・ 認証の必要性、脅威を防止するためにどのような認証技術が用いられるかの概要
・ それぞれの認証技術によって何が証明できるかの概要 4. 利用者認証 ・ 利用者認証のために利用される技術の種類、特徴 5. 生体認証(バイオメトリクス認証) ・ 利用者確認に利用される技術の1つである生体認証技術の種類、特徴 6. 公開鍵基盤 ・ 公開鍵基盤の基本的な仕組みと特徴 7. アプリケーションソフトウェア・IoTシステムのセキュリティ ・ アプリケーションソフトウェア、IoTシステム、IoT機器のセキュリティの対策の種類、特徴
詳細理解のため参考となる文献(参考文献)
23-1-2. 数理・データサイエンス領域
Di-Liteの3つの領域のうち「数理・データサイエンス領域」における学習範囲である「データサイエンティスト検定」のシラバスについて全体像を説明します。
データサイエンティストとは、データサイエンス力、データエンジニアリング力をベースにデータから価値を創出し、ビジネス課題に答えを出すプロフェッショナルです。データサイエンティストに求められるスキルセットはデータサイエンス力・ビジネス力・データエンジニアリング力とされ、検定においても3つの領域の力を図ります。
対象者
• データサイエンティスト初学者• これからデータサイエンティストを目指すビジネスパーソン
試験範囲(3つの領域)
【領域】データサイエンス力★1
【領域】データエンジニアリング力★1
【領域】ビジネス力★1
※データサイエンティストに求められるスキルについては、「22-4-1. データサイエンス領域」で説明します。
詳細理解のため参考となる文献(参考文献)
23-1-3. AI・ディープラーニング領域
Di-Liteの3つの領域のうち「AI・ディープラーニング領域」における学習範囲「G検定」のシラバスについて全体像を説明します。
対象者
・ ビジネスの関わるすべての方
G検定の試験範囲(シラバス)
技術分野
法律倫理分野
G検定の試験範囲のうち、セキュリティに関する箇所を抜粋して説明します。
・ セキュリティ上の課題としてどのような攻撃などが存在しているのか理解している
・ 安全性やセキュリティの課題への対応手段を理解している
Adversarial Attack(Adversarial Examples)、セキュリティ・バイ・デザイン、データ汚染、データ窃取、モデル窃取、モデル汚染