27-3. 第3章. デジタル社会の方向性と実現に向けた国の方針
3-1. 国の基本方針および実施計画の概要
3-2. 政府機関が目指す社会の方向性とサイバーセキュリティ課題
章の目的
第3章では、政府が発表している国の基本方針や、国が目指している社会を実現するための計画を通じて、IT、デジタル、サイバーセキュリティの方向性・課題について学ぶことを目的とします。
主な達成目標
・ 国の基本方針にデジタルがどのように影響を与えており、それによりどのような社会を目指しているかを理解すること
・ デジタル社会におけるセキュリティ対策の重要性を理解すること
主なキーワード デジタル社会、デジタルトランスフォーメーション(DX)、DXの推進、サプライチェーン
要旨
3章の全体概要
3章では、国によるデジタル社会に関する方針や政策、デジタル分野の取組におけるサイバーセキュリティの位置づけについて解説しています。政府が目指しているデジタル社会としてSociety5.0を紹介し、DX推進における中⼩企業の優位性について事例を交えて説明しています。
3-1. 国の基本方針および実施計画の要約
IT・セキュリティ関連の施策は、国の方針の1つである「経済財政運営と改⾰の基本方針」に沿った形で実施計画が策定されています。令和6年度の方針におけるIT戦略に関係する施策として「(さまざまな分野における)DXの推進」、「デジタル・ガバメントの強化」、「サイバーセキュリティの強化」があります。
3-2. 政府機関が目指す社会の方向性とサイバーセキュリティ課題
政府は「経済財政運営と改⾰の基本方針」に基づき「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を閣議決定しています。重点計画には、⽇本がデジタル社会を実現していくための政府の取組として、7つの戦略的な政策が掲げられています。この4番目が「サイバーセキュリティなどの安全・安⼼の確保」となっています。
デジタル社会を実現していくための7つの戦略的な政策
2. デジタル⽥園都市国家構想の実現
3. 国際戦略の推進
4. サイバーセキュリティなどの安全・安⼼の確保
5. 急速なAIの進歩・普及を踏まえた対応
6. 包括的データ戦略の推進と今後の取組
7. Web3.0の推進
各分野における基本的な施策
2. 安全・安⼼で便利な暮らしのデジタル化
3. アクセシビリティの確保
4. 産業のデジタル化
5. デジタル社会を⽀えるシステム・技術
6. デジタル社会のライフスタイル・⼈材
また、政府が提唱しているSociety5.0とDXの推進についても解説しました。
• Society5.0
Society5.0では、IoTですべての⼈とモノがつながり、知識や情報を共有することによって、これまでにない新たな価値を⽣み出すとともに、社会が抱えるさまざまな課題を解決の方向に導きます。⼀方で、Society5.0におけるサイバー空間の急激な拡大は、サイバー攻撃の対象が増えることを⽰しています。サイバー空間とフィジカル空間の相互作用により、サイバー攻撃がフィジカル空間にも影響を及ぼす可能性が⾼まります。
• DXの推進
DXの推進における中⼩企業の優位性について説明しています。中⼩企業の中には、DXを推進し、売上⾼を5倍、利益を50倍に増加させた企業が存在します。中⼩企業ならではの優位性を理解し積極的にDXに取り組むことで、大きく成⻑できる可能性があります。
中⼩企業がDX推進における優位な点
訴求ポイント
章を通した気づき・学び
デジタルの活用が進むとともに、サイバー攻撃などのサイバーセキュリティのリスクも⾼まっています。⾃社のデジタル技術の活用を進めつつ、サイバーセキュリティ対策に必要な知識・スキルを⾝につけた⼈材を育成・確保することが必要です。
認識していただきたい実施概要
• 政府が発表している国の基本方針や、国が目指している社会を実現するための計画を通じて、IT、デジタル、サイバーセキュリティの方向性・課題について学ぶこと。
• 中⼩企業ならではの優位性を理解し、積極的にDXに取り組むことが組織を成⻑させるために重要であること。
詳細理解のため参考となる文献(参考文献)