27-22. 第22章. サイバーセキュリティ対策を実践するための知識とスキル
22-1. デジタルスキル標準(DSS)
22-2. ITスキル標準(ITSS)
22-3. ITSS+(プラス)
22-4. i コンピテンシ ディクショナリ(iCD)
章の目的
技術進歩に伴い次々と新しい脅威が生まれている中で、効果的で漏れのないセキュリティ対策を実践していくためには、IT全般のスキルや知識を持つ人材の育成と確保が重要です。第22章では、各種スキル標準のフレームワークをもとに、必要とされる新しいスキルや知識について、体系的に理解することを目的とします。
主な達成目標
・ 具体的な実施のために必要となる「役割やタスク」「スキルや知識」について、人材育成・人材確保のための各種スキル標準のフレームワークをもとに体系的に理解すること。
・ 各種スキル標準のフレームワークをもとに、サイバーセキュリティ対策を実践するために必要なスキルや知識について体系的に理解すること。
・ スキルや知識の認定制度と活用方法を理解すること。
主なキーワード デジタルスキル標準、DXリテラシー標準、ITスキル標準、ITSS+(プラス)、i コンピテンシ ディクショナリ
要旨
22章の全体概要
22章では、サイバーセキュリティ対策を実践するために必要な知識とスキルについて解説しています。必要な知識とスキルを体系的に理解するために有用なフレームワークとして、デジタルスキル標準(DSS)やITスキル標準(ITSS)、ITSS+(プラス)、i コンピテンシ ディクショナリなどについて解説しています。
22-1. デジタルスキル標準(DSS)
デジタルスキル標準は「DXリテラシー標準」と「DX推進スキル標準」の2つの標準で構成されます。
「DXリテラシー標準」は、すべてのビジネスパーソンが身につけるべきDXに関する基礎的な知識、スキル、マインドセットの学習指針です。企業は、従業員に対して、DXに関するリテラシーを身につけさせるための指針として活用できます。
「DX推進スキル標準」は、DXを推進する人材の役割(ロール)および必要なスキルを定義しています。
22-2. ITスキル標準(ITSS)
ITスキル標準(ITSS)は、IT分野で必要とされるスキルや知識を体系化し、評価するための指標です。経済産業省が2002年に策定し、現在はIPAが管理しています。ITSSは、IT人材の育成に寄与することを目的としており、企業が共通して使用できるスキル指標を提供することで、キャリアパスの明確化やスキルの標準化に役立っています。
22-3. ITSS+(プラス)
ITSS+は、従来のITスキル標準(ITSS)を拡張し、第4次産業革命に向けて求められる新たな領域の新しいスキルをカバーするために策定されました。対象となっている領域は、「データサイエンス領域」「アジャイル領域」「IoTソリューション領域」「セキュリティ領域」の4つの領域です。
22-4. i コンピテンシ ディクショナリ(iCD)
i コンピテンシ ディクショナリ(iCD)は、組織においてITを利活用するビジネスに求められる業務(タスク)と、それを支えるIT人材の能力や素養(スキル)を「タスクディクショナリ」、「スキルディクショナリ」として体系化したものです。
※i コンピテンシ ディクショナリ(iCD)において、重要なことは考え方です。タスクやスキルについては、デジタルスキル標準を参照することが大切です。
訴求ポイント
章を通した気づき・学び
効果的なセキュリティ対策を実践するためには、IT全般のスキルや知識を持つ人材の育成と確保が必要です。そのためには、各種スキル標準のフレームワークを活用することが有効です。
認識していただきたい実施概要