編集後記
第2編では、大きく2つの事項について紹介しました。1つ目は、実際のインシデント事例を通して、近年のサイバー攻撃の傾向や対策などを紹介しました。2つ目は、企業経営で重要なIT投資などについて紹介しました。
サイバー攻撃の中でもランサムウェアやサプライチェーン攻撃は特に深刻な問題となっています。これらの攻撃は企業に対する業務的な影響に加えて、取引先からの信用を損なう社会的な影響も及ぼすことに注意が必要です。近年の攻撃は企業の規模に関係なく行われており、セキュリティ対策の重要性を改めて認識していただきたいと思います。
IT投資は、「守りのIT投資」(デジタルオプティマイゼーション)と、「攻めのIT投資」(DX)があります。ビジネス環境の急激な変化に対応するため「攻めのIT投資」に重点を置き、既存のビジネスの変革、新たな事業展開や新しいビジネスモデルの創出を行うことが大切です。
データやデジタル技術を活用したDXの推進には、十分なセキュリティ対策が必要です。セキュリティ対策が不十分であると、サイバー攻撃の標的となり、経営に大きな被害をもたらす恐れがあるためです。DXの推進と並行してサイバーセキュリティの確保に取り組むことが重要です。